act.13

 狭い路地を抜け、黒い鋲がぐるっと囲った金属の扉に行きつく。表面の取手を引くと、一部が開いてキーボードがあらわれた。事前に知らされたパスワードを打ちこむと、扉は横すべりして壁の内側へ格納され、サーペントは頭を下げて入り口をくぐると中へ足を踏み入れた。
 プライベート・バー。とは名ばかりの、薄暗い秘密の空間。一月ごとに持ち主も店名も変えながら、部外者にオープンにされたことのない店だ。看板はなく、店名もわからない。
 昼間だと言うのに店内には客が溜まっていた。長いエアクッションが至るところに置かれ、人が寝そべって、仰向けやうつ伏せでくつろぎながら飲み物を飲んでいる。煙草をくゆらせ、服をくつろげて、ほとんどの者がひとりでぼんやりとしていた。暗がりで体を重ねる影もあったが、その動きはにぶい。ちらりと目をやって、サーペントは飛び石のようなクッションの間を抜けた。メロディのない、リズムだけの奇妙な音楽が低く流れている。
 煙や体臭が入り混じって、店内は独特の甘い臭気がたちこめていた。床も壁も黒ずんだ丸いタイルで覆われている。タイルの表面はやわらかく、足音を吸う。
 サーペントに目を向ける者はいないようだった。L字型に長くのびた部屋のつきあたりにある丸いカウンターに歩み寄り、彼は中にいる男へ声をかけた。
「子猫を買うって言うのは、あんた?」
「‥‥」
 男は無言であごをしゃくる。サーペントは横に人の気配が近づいてくるのをすでに察知していたが、今はじめて知ったように向き直った。
 長身の少年がそこに立っていた。サーペントと同じほど上背があるのだが、顔はひどく幼い。眸が大きく、かすかにひらいた唇は赤く、頬はなめらかな丸みをおびて細いあごへと流れている。丁寧にととのえられた黒髪の中に銀のチェーンが蛇のようにからみ、むきだしの肩にふれながら腰まで垂れ下がっていた。
 少年の上半身は裸だった。乳首に重そうな聖母のヘッドがついたピアスを吊り、腰から下はぴたりと肌にはりつくような黒のボディスーツをまとっている。白目の部分に色をさしているのか、眼球全体が淡い金色に染まっている。瞳は赤みを帯びた琥珀色で、瞳孔の中央だけがインクを落としたようにぽつりと黒い。
「ねこを。もってきてくれると、思ったのに」
 声は太い、成人した男のものだった。だが口調は舌足らずで幼児に近い。開けた口の中、赤い舌を銀のピアスがくし刺しにしているのがキラリと光る。サーペントは微笑を浮かべて少年を見つめていたが、小さくまばたきして、喉にかかる甘ったるい声をかえした。
「どんな猫?」
「二本足の。やせた。きのくるったねこ」
「名前は?」
「ないよ。呼んでもわからないし。あれはあたまがこわれてるから。エサをやらないと、またきがくるう」
 エースが子供の体からドラッグを抜くのにどれほど苦労しているか、サーペントはちらりと考える。表情は変えずにたずねた。
「大事にしてるならどうして逃がした?」
 部屋の生ぬるい空気が肌をなでる。サーペントは煙草をくわえて火をつけた。少年はまばたきの感じられない金色の眼球でサーペントを見つめたまま、子供が童話を読むような口調でつづけた。
「にがそうとしたヤツがいたの。ねこを。それで。しょうがないからそいつを捧げた、キリング・ムーンに」
「それで猫を見失った? 取り戻したい?」
「だって、ひろったんでしょ? もってても、こまるでしょ?」
 まあ確かに困る、とサーペントは思ったが、微笑を返しただけで何も言わなかった。キリング・ムーンの犯行に触発されたカルト集団があちこちで集会をひらき、時によっては月に「供物」を捧げているのは知っている。べつにそれはいい。誰が誰を殺そうと、サーペントは滅多に気にしない。殺すほうが狂ってようが殺されるほうが狂ってようが、供物だろうがプレゼントだろうが、好きなようにすればいい。だが、集団で人を殺すというその行為は、奇妙にばかばかしく子供じみて見えた。
 何が愉しい? と聞きそうになる口をとじたまま、少年の目を見すえて、ゆっくりと煙草を喫った。まだ喧嘩を売るには早い。
 少年はサーペントの視線を受けとめたまま、淡い微笑を浮かべてじっと立っていた。目の下のふくらみと白い肌のやわらかさが、ひどく未成熟な印象を与える。サーペントはにっこりした。
「猫ねえ。猫よりいいものがほしくない? 俺はその話をしにきたんだよ」
「それはなに」
「キリング・ムーン」
 明瞭につげる。その瞬間、周囲の雰囲気がぴりりとはりつめたのを肌に感じた。目の前の少年だけでなく、背後のバーテンダー、カウンターによりかかった細身の女、近くのクッションに寝そべった男──サーペントの言葉を聞き取った全員が今の言葉に惹きつけられ、火に集まる虫のようにサーペントを見つめている。
 肌がぞくりとして、サーペントの微笑が深くなった。
「どう?」
「‥‥」
「次の新月、この街で大々的な狩りが仕掛けられるのは知ってるだろう? 賞金ハンターたちが、独力で、あるいは手を組んで、キリング・ムーンを狩りにかかる。あれを殺しにかかる。その首を取り、命を奪って裁きの場へ引きずり出そうとする。君らは? 君らはどうする、誰もがキリング・ムーンを殺そうとする中、小さな子供を八つ裂きにして可愛らしいディナーか? せっかく血まみれの夜なのに」
 一歩。音をたてずに歩みをつめ、サーペントは煙草をくわえたまま少年へ顔を近づけ、間近に視線をとらえてのぞきこんだ。深く、強く。表情のあいまいな金色と琥珀の目の奥に、今ははっきりとした欲望が見えた。
「狩りにくわわらないなんて、そんなつまらないことがあるか?」
「‥‥わたしたちは、キリング・ムーンを狩りは、しない」
「勿論。そうだろう。君らはキリング・ムーンを愛している」
 キリング・ムーンは愛されることを必要としてはいないだろうが。
「だから、君らが狩るのはキリング・ムーンではない。君らは、狩人を狩るんだよ」
 囁いて、サーペントはとらえた視線を外さない。強い熱をはらんだ目で少年を見据え、かすかな熱に濡れた声でつづけた。
「キリング・ムーンを狩ろうとする者を。彼らを狩ればいい。月のない夜に、狩る者と狩られる者は逆転し、己が獲物となるとも知らぬ愚か者の血は雨のようにふるだろう。キリング・ムーンにふさわしく。君らの愛する者にふさわしく、街は血まみれになる。それこそが彼への供物、それこそが宴じゃあないか?」
 くくっと笑い声をたてて、
「猫を殺すのとどちらがおもしろい?」
 囁く。視線は一瞬たりともゆらがないまま、互いの間の空気が濃密に揺らぐのを、サーペントは感じる。互いが想像する血の臭いすらたちのぼってきそうな、それは酔うほどの濃密だった。
 少年がかすかに唇をあけ、長い息を吐き出す。知らずに体が小さくゆれ、黒髪から這いだすように垂れた銀鎖がゆらいだ。つかまえた、とサーペントは思う。つかまえた。
(喜べ相棒、不可視の月の下、こっちはカーニバルだ──)
 こめかみに銃口がつきつけられたが、サーペントは視線を外すことなく少年を見ていた。少年もサーペントを見ている。横からかすれた声がしても、二人の視線は揺らがなかった。
「こいつは罠だ、ユイ。こいつはお前を殺すぞ。俺を殺そうとしたように──」
 サーペントは、ほとんど物理的なものが断たれるような感覚をおぼえながら視線をはがし、横目で銃を持った男を見た。こめかみにふれる銃口にはかすかなふるえと激しい緊張がつたわってくる。一瞬の激発を抑え込んでいるのはあきらかだった。
「久しぶりだねえ。元気にしてたみたいじゃないか」
 やわらかい、ほとんどやさしいほどの言葉に、男の顔に赤い血の色がのぼった。あの男──サーペントが口移しでゲル状ボムのカプセルを呑ませた、仕事のターゲットだ。あの時の上品なよそおいもパーティの落ちついた物腰もすべて消え失せ。血やしみの飛び散ったシャツをとめもせず裸の体にはおり、首には幅の広い銀の首輪がはめられていた。
 肌は青ざめてあちこち黒ずみが溜まり、半ば死人のようにすら見えた。目だけがギラついている。執念のような粘っこい光だった。口のはじに涎が溜まって、白い泡があごまで跡になっていた。少しばかり正気のさかいを踏みこえているようだ、と判断しながら、サーペントは愉快そうにその様子を眺める。煙草をくわえたまま、口に溜めた煙を吐いた。
「あんたもムーンストラッカーだったの? ちがうか。あんたが飼ってんの?」
 後半の問いは、ユイと呼ばれた少年へ向けられていた。少年は首をかしげ、髪の中へ指をさしこんで鎖をいじる。ひややかに言った。
「ゼノン。お前は口をきいてはならん筈」
「だが、ユイ──」
 声が大きく揺らいだ。恐怖と、憎しみに。サーペントはその息に常習性のドリームドラッグのにおいを嗅ぎとる。あの夜、唇を重ねた時にはなかった匂いだ。男はドラッグのディーラーの一人だったが、常用者ではなかった。ビジネスであって、嗜好ではない。
 成程、とサーペントは微笑する。サーペントの依頼人は男を罰することを望んでいた。目障りになったこの男にドラッグをたっぷりと与えてから、ムーンストラッカーたちに引き渡したのだ。一部のムーンストラッカーを、ドラッグディーラーが新薬のロケーション相手として使っているという噂は聞いていた。それとも逆か。ドラッグで結びついていた人々が、さらに刺激的な遊びを求めて、キリング・ムーンの信奉者と化したのか。
 そのつながりを通じて、おそらくこの男はここへ投げ落とされた。ドラッグと、たぶんその首輪のために、彼はこの場所から出ていけない。いや、行けたとしても、二度と自分の仲間のところへは戻れまい。かつて属していた、あの優雅な世界には。
 ユイはもう一度、丁寧な口調でくりかえした。
「口を」
 その声にはっきりとした脅し──言葉だけではなく──を聞き取った瞬間、サーペントの身が沈んだ。膝をしなやかに曲げ、左手で男の手首をつかんで銃口の向きを変えながら足払いをかける。男の体が見事に宙へ浮き、床へ肩から倒れた。うつ伏せにころがして後頭部をサーペントが踏みつける。顔を床に叩きつけられて男の喉からくぐもった苦鳴がこぼれた。
「動くなよ」
 踏みつけた足を首輪の後ろへずらし、サーペントは重さをかけて脅す。折ることくらい造作もない。男は動かなかった。シャツの下は裸で、肌には無惨な傷やあざの跡が残されている。尻に挿入されたディルドーの先端が尻肉の間から出ているのを、サーペントはかわいた目で眺めてから、奪った銃を左手のなかでもてあそんだ。パルスガン。5メートルほどの射程距離しか持たない、指向タイプの電磁銃だ。
「ほら」
 と、放り投げられた銃を、数歩はなれたところで別の少年がうけとめた。彼が男に銃を奪われたのを、サーペントは視界の外で見ていた。まだ煙草をくゆらせながら、ユイに向き直る。
 ユイはまばたきもせずにサーペントを見ていた。特殊なコンタクトレンズで眼球全体を覆っているのか、とサーペントは気付く。そのレンズが金色のかがやきを帯びているのか。それとも、眼球自体がレンズでくるまれた特殊義眼か。フェリカのようなレプリカボディではないようだったが、この少年も奇妙に気配が薄い。
 サーペントを見つめ、ユイは唇の右はじを少し上げた。
「これを罰するのは、わたしの仕事だよ。‥‥あなたの手出しは受けない」
 冷酷な声をきいた男がサーペントの靴の下で呻いた。足先に力をこめて黙らせ、サーペントはひややかに言った。
「俺の用がすんだら煮ようが焼こうが好きにしろ。あんたたちの遊びにつきあうほどヒマじゃないんでね」
「やさしいんだ」
「そう。月にいっぺんくらいは」
 そう言いながら、一瞬、足の下の男をここから連れ出す可能性をひねった。すぐに却下する。べつにこの男に借りはないし、あったとしてもそんなものにサーペントは惑わない。それなのに、おもしろ半分とは言えうっかり心を向けそうになる自分が可笑しかった。彼のせいだ、と思う。いまいましい相棒。お節介で阿呆のように甘い、あの男。
 ──ほんとに、いまいましい。
 彼の嘘がこんな事態を引き起こしたのだ。頭に来る。それを思うとはらわたが煮えるほど、今でもサーペントは激怒していたが、何より頭に来ることに、きっとエースは平気であやまるだろう。真剣に、心の底から。それは予測できたが、その時どんな顔をしてみせればいいのか、サーペントにはさっぱりわからなかった。そんな状況に置かれたら、はたして自分がどんな顔をするのかも。一体、どうすればいい?
 たぶん、叩き殺すのが一番、簡単。物事はすべからくシンプルに。
 ──それができれば、何もかも片づくのに。
 このイルヴェンに来ようとしたのはサーペントの方だ。その選択を後悔しているわけではない。ないが、それがわかっていても怒りは消えなかった。
 サーペントがキリング・ムーンに惹かれてここへ来たのは、ニュースの中から浮かび上がるシンプルな指向性に惹かれたからだった。何の目的もなく、ただ機械のように人を殺す。そのシンプルさが、キリング・ムーンの犯行にはあった。世間は快楽殺人だと分析して騒いだが、サーペントには確信があった。あれはもっと単純で、本能的なものだと。
 それをたしかめられるかと思って、犯行のつづくこの都市へ来た。遊びの一つだ。暇つぶしと言ってもいい。単なる、いつもの刺激の一つだった──相棒が、嘘をつくまでは。
 他人の嘘にも自分の嘘にも慣れている。嘘はほとんど、サーペントの人生そのものでもある。理由があれば人をあざむき、理由がなくとも人をあざむき、同じようにあざむかれて、そんなふうに生きてきた。それなのに何故、たかが相棒の嘘が心に打たれた杭のようにひびくのか、サーペントには理解できない。ひたすらに不愉快だった。
(てめェの思い通りになんかさせねェぞ)
 はっきりと、心の中で毒づいて、サーペントは艶やかな微笑を目の前の少年へ向ける。
「どうする。キリング・ムーンの下で血を流すのは、無力な供物だけじゃない。ハンターもまた、狩られる者となって血を流す。素敵なカーニバルになると、そうは思わないか?」
 ユイの奇妙な眸の奥に光が揺れるのを見た。飢えろ、と思う。血に、狩りに。無力な子供を刻んで何がおもしろい? キリング・ムーンを愛するのならば、狩りも共にするのが信奉者というものだろう?
 ──飢えろ──
 ユイがサーペントを凝視したまま、そっとたずねた。
「ねこは?」
「あの猫は俺のものじゃないんでね」
 サーペントも静かにこたえた。ユイの瞳を最後につよくのぞきこみ、彼はひょいと下がる。煙草を床に吐き捨て、身をひるがえした。
「狩りをする気になったら連絡してくれ」
 床に伏していた男の体がはねあがった。憎しみに形相をゆがめ、鉤のように指を曲げた両手でサーペントの足をつかもうとする。それを跳んでかわしざま、身をくるりと回したサーペントは左手を振った。宙を裂いたナイフが男の眉間に深々と突き立つ。崩れ落ちる体を見ずにサーペントは身を翻す。背中にユイのつぶやきがきこえた。
「やさしいんだ」
 振り向かず、早足で店を出た。誰もとめない。扉がとじる寸前、甲高い笑い声が聞こえてきた。


 唇に微笑をうかべたまま、サーペントは日のさす街を歩き出した。耳元でかすかな震動音。ピアスの信号に、COMを取りだして通信を受けた。相手のIDに目をほそめる。イヤホンがわりのイヤークリップを耳朶にはめた。
「どうした、フェリカ?」
「‥‥アリア、か。あんたにしては不用心じゃないか。俺はまだ君をトレースするくらいの力はあるんだぜ。子供を殺すくらいの力もな」
 フェリカの声はしゃがれて、ふるえていた。
 アリア。あの子供がただ一つ、しゃべれる言葉。それは幽霊の正体をさししめすしるべ。フェリカは、その言葉も子供の存在も知らない筈だった。
 フェリカの位置情報をさぐる。何の障壁もなく簡単にその情報はCOMに表示された。たしかにあの場所だ。子供がいる筈の部屋。フェリカはそこからサーペントに連絡を取ってきていた。
 サーペントは微笑を溜めたまま建物の間から見える空を見上げる。いい天気だった。
「なるほど。条件は?」
「君が‥‥あの日、何をしたのか話せ」
「いいだろう。会って話せるか?」
 人質を取ってサーペントを脅すとは、フェリカは死ぬのを恐れていないな、とサーペントは思う。彼が恐れているのは、サーペントが持っている──あるいはそう彼が思っている──記憶の中にある、自分自身のことだ。
 いや、記憶そのものを恐れているのではないのかもしれない。脳移植をくりかえしてきたフェリカは、同時に記憶の欠損をくりかえしながら生きている。記憶にない自分自身を恐れるのは理屈にあわない。
 そう。彼の恐怖は理屈にあわない。彼が何を恐れているのか、サーペントにはよくわからない。わからないまま、自分がフェリカを追いつめていることだけはよくわかっていた。フェリカの恐怖、そしてそれと裏返しの執着。忘れてしまえば何もかも終わるだろうに、フェリカはまだ失われた記憶の存在に執着している。それともサーペントという証言者の存在か、彼が恐怖して憎んでいるのは?
「フェリカ。子供は無事か? ちょっと特殊な子供だぜ」
「大丈夫だ。あんたが扱うより安心だよ」
「じゃ、15分後に」
 通信を切る。サーペントは金の髪をかきあげて小さな息をつき、車のターミナルへ歩き出した。


 重い扉をあける。やわらかなクッション性の床と壁が音を吸いとる。うっすらと光る天井パネルの下で、部屋は薄暗かった。
 暗がりに歩み入り、エースは部屋の中央に小高く積まれた毛布を見やる。鳥の巣のようにかたちづくられた中央で、子供が丸まって眠っていた。
 すやすやと寝息をたてて、子供は眠り続けている。毛布の下は裸だったが、きれいに洗った服がテーブルに積んであった。
 傷に異常がないのをあらため、エースはもう一度毛布をくるむようにかけて、子供の顔を見下ろす。それから室内をざっとあらためたが、サーペントがここにいたことを示すものは何もなかった。気配すら。相棒は、自分の存在をきれいに拭ってその姿を消していた。
「子猫売ります、か」
 低い声でつぶやく。小さく笑って、エースは子供を抱き上げた。

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