センドリスとジノンは昼食を終えてもそのまま話しこみ、イーツェンは食後酒の杯を干したところでその場を辞した。
 センドリスは王弟であるジノンにそれなりに丁寧な態度で接してはいたが、時おり見せるくずれたなれなれしさは、二人が古なじみであることをあらわしている。ジノンには意外と、そんなふうに親しい人間が多いのかもしれない。
 ──客の名を覚えてこい。
 ふいにイーツェンの耳の奥でオゼルクの言葉がよみがえった。客。オゼルクがその存在を知りたがる「客」とは誰だろう。
 センドリスは傭兵隊長で、アンセラを陥とした男だ。軍閥にも力を持っているだろう。ユクィルスの「武」の部分を大きく担う彼とジノンが親しいというのは、深い意味を持つことのように思えた。ジノンが彼を個人的にもてなし、ユクィルスの軍の状況などを話題にのせていることに、意図はないのだろうか。
(当代の王は病をもっておられる──)
 そう言ったのは、レンギだった。
 王が死ねば、王位はおそらくローギスの手に渡る。オゼルクがイーツェンへ洩らした言葉が真実ならば、その時ジノンはローギスの補佐として就く。あの兄弟は、それを鬱陶しく思っているようだったが。
 彼らの間には、明らかな対立がある。ジノンがそれに気付いていない筈はない。
 オゼルクはイーツェンをジノンへ近づけ、ジノンをさぐろうとした。ならば、ジノンはどんな対抗手段を打つだろう? 表立って人と対立するような男ではないが、何一つ手を打たず好きにされているような男でもない。イーツェンにすら、それはわかる。
 ──センドリスと会っているのは、軍閥の人間を取り込むためなのだろうか。ローギスたちに対する足場をかためるために。
(センドリスこそが、オゼルクが名を知りたがっていた「客」なのだろうか‥‥?)
 ジノンはセンドリスと午後の狩りに出かけたきり、夕食の席にも姿を見せなかった。なじみの村人にでも一夜の宿をふるまわれているのだろうと、ヴォルは言う。ジノンが夕食に戻らないのはこの滞在中だけでもはじめてのことではなく、ヴォルの態度からして、珍しいことでもなさそうだった。
「お客様をお迎えしているというのに仕方ありませんねぇ」
 肉がほどけかかるほどたっぷりと煮込まれた鹿肉のシチューを木の椀によそりながら、ヴォルはわざとらしく眉をしかめ、主人の悪口を言ってみせる。とは言えその口調に棘はなく、イーツェンは微笑した。
「かまわないよ。気を使われるよりは、好きにしていて下さった方がいい」
 実際、ジノンがここにつれてきたきりイーツェンに構おうとしないことを、イーツェンはありがたく思っていた。どうしてもジノン相手だと気を使う。それをジノンもわかっていて、イーツェンを放っているようだった。
 ──戻れば、城はさぞ寒いのだろう。
 あたたかな食事を終えて部屋に引きとり、寝台に座って湯で割った林檎酒をすすりながら、イーツェンはふと思う。床の中央に置かれた手あぶり用の小さな丸炉の中で泥炭が燃え、一部が赤く染まってはまた黒く色を沈ませて、炎のない熱がゆっくりと泥炭の中を這っているように見えた。
 敷布はつい先刻まで火のそばに置かれていたのだろう、あたたかい。イーツェンは溜息をついて、肩掛けがわりの毛布を引き上げた。
 城ではいつしか他人の顔色をうかがうばかりになって、身も心もすくんでいた。怯えと裏腹に気を張って立ち向かおうとしては、傷つけられる。どれほど自分が追いつめられ、心身に負担がかかっていたのか、こうして城を離れてみるとよくわかった。
 脚に鎖をつけない生活も、これで六日になる。太腿に残っていた赤あざはほとんど見えないほど薄れ、あれほどくいこむようだった重さを、脚が忘れそうだった。
 だがあの城に戻れば、また元と同じ日々だ。
 戻りたくないと思っている自分を、イーツェンは心の底に押しこめようとする。あの冷たくくらい塔に、鎖につながれるようにして暮らす毎日に、もう戻りたくはない。だが彼の居場所はあそこだ。ここではない。ジノンが彼の味方ではないように、ここはイーツェンの居場所ではなかった。たとえ、どれほど居心地がよくとも。
 寝着に着替え、寝台にもぐりこんで丸く身を丸める。そうしてなごやかな家の気配から切り離され、しんとした夜の気配を聞いていると、体の中にうつろな虚しさを感じた。胸の奥に深い穴があって、それが体温を呑みこみ、イーツェンをじわじわと侵食していく。
 息苦しくこわばる肺をおさえ、ゆっくりと呼吸をつづけた。この家でも、この部屋でも、イーツェンは一人で眠るのがこわい。眠りの奥には幾重にももつれた悪夢が待ちかまえ、彼をからめとって引きずりおとそうとする。昼をおだやかな心持ちですごしている反面、夜の悪夢はより濃厚さをましたように思われた。足を踏み外せば闇色の泥の中へおちる。それがおそろしい。
 そして、悪夢にうなされる彼を起こしてくれる相手はもういない。


 どれほどの時間、そうしてうずくまっていただろう。しんとした闇の向こうに人の動く遠い気配すら感じとれなくなって、静寂が澄み渡ってから、イーツェンは起き上がった。泥炭は半ば埋み火となって、暗く沈んだ灰の奥にぼんやりとした熱が沈んでいたが、あまりにもわずかな熱は肌を切るような寒さにたちまち食い尽くされ、部屋は冷えきっていた。
 どこか遠く、獣がきしるように啼く声がした。だがそれもすぐに消え、闇はふたたび静まり返った。
 薄い寝着に毛織りの上衣をはおり、イーツェンは立ち上がると、足をしのばせて扉を細くひらいた。こごえるような夜気に肌が粟立つ。廊下は塗りつぶされたような闇で、目をとじても区別がつくまい。
 一瞬ためらってから、イーツェンはそうっと廊下へ出た。
 闇の中に方向をさだめ、廊下の調度を頭に描いてから、歩き出す。
 闇を歩こうとするのはこれがはじめてではない。この家に来てから二度目だ。その時にはうまく距離感がとれずにあきらめたが、それから数度、イーツェンは昼間に歩数と歩幅をはかって体に覚えさせていた。
 なじんでしまえば、方向感覚にはそれなりに自信がある。リグの子供はたいていそうだ。陽が落ちてからの山道を事故なくたどるには、自分の五感を信頼するよりほかにない。視界にたよらず、体で感じながら歩く。
 息をつめ、闇をたどる。抑えようとしても靴音が静かな家の中にひびきわたるようで、どうしても歩幅がせまくなる。全身が凍るように冷たいのが緊張か寒さかわからないまま、イーツェンは辛抱づよく廊下をたどった。頭の中でひたすら歩みを数え、今にも鳴りそうな歯を噛んでおさえる。
 斜め前に右手をのばし、壁にぶつからないように歩いた。時おり横へ腕をまわして壁の位置をたしかめ、角を曲がる。角の位置が、感覚と少しずれている。歩幅がちぢむせいだろうか。息をととのえ、どこかで物音らしきものがしたと思うたびに動きをとめて、闇をさぐった。闇の奥から視線を感じて、冷たい汗が背中ににじむ。気のせいだと思いながら恐怖がふくれあがって息がつまる。
 一歩先に奈落があって、次の歩みでまっさかさまにころげおちてしまいそうな気がした。
 見当をつけて壁にふれる。扉の感触を探したが、漆喰のざらついた肌が指先を刺激するだけだ。もう数歩進んで、またたしかめる。壁。もう一度。焦りに手が急ぐのをおさえた。
 やっと木の感触を得る。ほっと息をつき、手のひらをすべらせて扉の形をたしかめ、掛け金に手をふれた。ジノンがあけたのを見ている。手さぐりで小さな棒を上へ押しこみながら小さな突起に左手をかけて引き、棒が上がったままの状態になるよう固定した。指先がふるえて、一度ではうまくいかなかった。
 扉をひらく。木のきしみが闇にひびいて、イーツェンは凍りついた。
 誰かが起きた気配はない。ためらったが、肌がひりつく寒さに負けて、ゆっくりとまたひらいた。木をかきむしるような細い音が、家中の人間に聞こえている気がした。
 人ひとり入れるだけの隙間がひらくと、すぐ内側へすべりこむ。しまろうと音をたてる扉を手でおさえながら、できる限り静かに扉をしめた。しばらく肩で扉にもたれかかって、波立った夜の空気が鏡のように平らに静まり返ったと感じられるまで待った。息があがっていた。


 壁をさぐり、壁龕から小さな油燭を取り出す。火口箱を取って、付け木を小さな木片と擦りあわせて火をつけると、ふるえる手で炎をうつした。
 黄色っぽい炎の舌がゆらりとのびる。小さなぬくもり。揺れる光輪のはじで、黒々とした影が次々と起き上がり、書斎の壁や床を這い回った。茫然とする思いで、イーツェンは踊る影を見やる。部屋の半ばは闇に沈み、残る半ばでは影と光が水のようにまじりあって揺れていた。
 心臓がせり上がって、鼓動が喉で鳴っている。油燭の持ち手すら、握った指にぴたりと吸いつくように冷たい。わずかな灯りだが、外に洩れないよう前開きの上衣につつむように体で光をかこいながら、イーツェンは書斎の机へ歩みよった。
 机の足元へ灯りを置き、机の上を見た。きれいに片づいている。すぐ脇の床に据えられた引き出しに手をかけてみた。下から一つずつ引きあけていく。引き出しは重かったが、音もなくすべった。
 さまざまな長さのペン、インク瓶、粒子の粗いインクを漉したりすりつぶすための漉布や小さな皿、陶製のすり棒。丸めた地図、封蝋に使う色つきの蝋、紙用の細いナイフ、綴じ紐。羊皮紙を削るための細長い砥石。
 その上の引き出しには王家の浮印が入った亜麻紙や、焼き印の入った羊皮紙。だがどれも無地だ。
 一番上の引き出しを引いた瞬間、手が固い感触にはじかれた。わずかに動いただけで、引き出しはそこでとまった。
 ──鍵がしまっている。
 イーツェンは一瞬笑いだしそうになった。当たり前のことだ。ジノンほど用心深い人間が、大切なものに鍵をかけずに置く筈がない。
 鍵を手に入れることまでは、オゼルクと約束していなかった。それに、たとえ言われていたとしても、そんなことができるとは思えない。
 ここまでだ。
「‥‥‥」
 机のうしろにうずくまると、イーツェンは大きな息を吐き出し、つめたくなった膝を抱きかかえた。くくっと喉の奥でひそめた笑いをこぼす。情けなさとばかばかしさがこみあげてきて、身のおきどころがない。ふるえるほどに凍えながら、こんなふうに暗闇にうずくまって人の気配をうかがっている自分が滑稽だった。
 瞼の裏に光が明滅するほどきつく目をとじてから、イーツェンは下の引き出しへ手をのばした。半分開けたままのそれをゆっくりとしめる。木の引き出しはずっしりと重い割りにすべりがよく、音をたてない。
 ヴォルがきっちりと蝋を塗って手入れをしているのだろうな、と思った瞬間、背中を氷塊がすべりおちた。
(何故、書斎の扉はあんなふうに鳴るのだろう‥‥?)
 イーツェンのいる客間の扉はかすかにきしむだけで、こんなはっきりした音はたてない。引き出しまでも完璧に手入れしているヴォルが、ジノンの書斎の扉を鳴るままに放置しておくはずがなかった。何か意図がなければ。
 ──用心のためか。
 結論が頭の中でパチンとはじけ、同時にイーツェンは寝台の上で聞いた音を思い出していた。遠くでかすかに獣が啼いたと思った、あれは、あの音は、まさか──
 戦慄に喉がしまる。
 彼よりも前に、誰かが書斎の扉を開けた? あれはその音ではなかったのだろうか。
 ジノンの書斎は内側からも落としがねがかけられる。中に誰がいても、仕掛けはしまる。イーツェンが入ってくる音に気付けば、いくらでも部屋の闇に身を隠せる。事実、イーツェンは部屋全体を見渡して人がいないかどうか探したりはしなかった。
 今この瞬間にも、同じ部屋の中に誰かがいたら──
 耳の中で鼓動が乱れた。イーツェンは机のはじをつかんで立ち上がる。床の油燭を取ることも忘れて机からよろめき離れようとした時、うしろから力のこもった腕が首にまわされ、ぐいと締め上げられた。踵が床から浮く。喉がつまって口が開き、悲鳴を上げようとしてもかすれた息一つ唇からこぼれなかった。
 首にかかった腕は鉄のようで、いくらイーツェンがもがいてもゆるむ気配すらない。耳元でかすかな息がきこえる。イーツェンは爪先立ちに体をのばして後ろへ体重をかけながら、折った肘を背後の体に叩きこんだ。
 護身用の体術を習ったことはあるが、実践したことなどない。案の定、肘が相手の服にすべってほとんど手応えはなかった。首に回された腕もゆるまない。ただでさえうすぐらかった目の前に闇色のとばりがおり、頭の中で音がわんわんと反響して、何も聞こえなくなる。ルディスに首を絞められた時の行き場のない苦悶がよみがえって、口を限界までひらいたが何一つ息が入らず、こめかみがうずきで割れそうだった。
 体に力が入らない。敗北が身の内を満たしていく。背後にいるのが誰なのかはまったくわからなかったが、ぴたりとあわさった体からつたわる殺気は純粋で、本物だった。このままでは死ぬ。そう思ったがすでに手足は鉛のようで、相手の腕をつかむ手も、もはや引きはがすというよりすがりついているような状態だった。こんなふうに締め上げられていなければ、自分の足で立つこともできまい。
(──シゼ)
 暗闇の中で、イーツェンはもがきながら救いを呼ぶ。危険なことはするなと、シゼはあれほどイーツェンのことを心配していたのに。こんな馬鹿なことでイーツェンは自分を追いこんだ。余裕があるなら笑っただろう。
(シゼ‥‥)
 声が出ない。意識が闇へ呑まれる。かすかな抵抗の力までも失われていく。ただ頭の中でシゼの名をくりかえしながら、最後の何かに賭けようとうしろへ手をのばす、手に残った力はかぼそかった。
 何もつかめない手がすべりおちる。無力感の中に砕けて落ちていく、わずかな意識の外側で、イーツェンは山崩れのような音を聞いた。


 誰かがイーツェンをかかえている。あの日のシゼのように。
 ただイーツェンが名を呼んだからというだけの理由で、オゼルクに体をぶつけ、イーツェンを守ろうとした。あの瞬間、シゼは自分の命を賭けたのだった。
 それが何を意味するのか、イーツェンにはずっとわからなかった。ただシゼを守ろうと思ってオゼルクと取引を交わし、膝を屈したが、あの瞬間のイーツェンは目の前の物事を片づけることだけでいっぱいで、シゼが「本当に」何をしたのか気付いたのは、シゼがいなくなった後だった。
 役目を外れたとか、城の意志にそむいたとか、そんなことばかり見ていた。本当に大事だったのは、シゼが「イーツェンを」守ろうとしたことだ。命を捨てる覚悟で、何も言わず、何も求めずに。どんな言葉よりも、彼の行動がすべてを物語っていた筈だった。
 ──それに応えたかった。
 イーツェンもシゼのために何かをしたかった。何かを与えたかった。
(今となっては、すべてが遅い‥‥)
 額を冷たい感触が這う。濡れた布。体がうまく動かない。自分をかかえる腕にすがりついて、イーツェンはにごる闇から意識を引っぱり上げようとする。
「シゼ‥‥」
 喉からかすれた呻きと咳が同時にこぼれ、唇にグラスがあてられた。氷のような水が流れこんでくる。数すじの、わずかな水を、イーツェンは飲もうとしたが咳でこぼしてしまった。
「イーツェン」
 耳元で低い声が呼ぶ。シゼの声ではない。意識が混濁したまま、イーツェンは重くひきつれる目蓋をあげた。白っぽい光が見えて目をしばたたく。もやもやとした形が見えてきた時、頭の上から低い声がした。
「気がつきましたか」
「‥‥ヴォル?」
 声は喉にからみつく。イーツェンの体をかかえたヴォルは無言でまた唇にグラスをあてた。目でうながされ、イーツェンは水を飲む。その動きで天井にイーツェンの影が揺らぎ、自分がどこにいるのか悟っていた。
 ──ジノンの書斎。
 恐怖がはっと背骨をわしづかむ。考えるより先にうったえていた。
「誰か‥‥いた──」
「心配ありませんよ。もう大丈夫です」
 ヴォルがうなずき、グラスを置くとイーツェンを抱きおこした。肩をぐるりと毛布でくるまれる。壁と床に大きな油燭が配されて、書斎は先刻とは比べものにならないほど明るかったが、部屋のすみにはまだ夜の闇がうずくまり、今にも動き出しそうだった。
「一人であんな危ないことをしてはいけないよ、イーツェン」
 ジノンの声。イーツェンは声の方向を探して、机へ顔を向けた。ジノンが机の前の椅子に座って引き出しの中を見ている。その姿を見た瞬間、さっきまで自分がそこにいたことを思い出して、イーツェンは全身の血が引くのを感じた。
「客人はあんなことをするべきではない」
 ジノンはゆっくり続ける。羞恥のあまりイーツェンが何も言えずにいると、ジノンがかすかに唇のはじを上げた。
「あやしい人影を見たからと言って君の腕前で追っていては、命がいくつあっても足りないよ」
「‥‥ジノン──」
 イーツェンは一瞬たじろいでから、弱々しい微笑を返した。
「すみません。次は気をつけます。‥‥助かりました」
「そうすることだ」
 やわらかな声に威嚇のひびきはなかったが、じっと自分を見据えるまなざしにイーツェンは身がすくむ思いだった。人を裏切り、客人としての礼を背信で返した。追いこまれていたとは言え、それはリグの民の礼儀ではない。はじめからわかっていたことだったが、オゼルクやローギスに犯された後よりも、はるかに自分が汚れた気がした。
 喉をさすりながら起き上がろうとするイーツェンを、ヴォルが手助けする。ヴォルの腕にかかえられるように立ちながら、イーツェンはヴォルの腰帯に山刀の鞘が差し込んであるのを見た。はじめて見るものだ。その柄に、新しい血の色がついているように見えた。
「‥‥‥」
 頭を振って、萎えた両足を踏ん張る。ジノンが机の向こうからおだやかに言った。
「私の寝室へ。少し話がある。──いいね?」
「──はい」
 逆らうことなどできるはずもなかった。うなずくイーツェンの肩にもう一度ヴォルが毛布をかけ直し、肩をかかえて歩き出す。その手からつたわってくるのもいたわりではなく、そこには無言の冷たい意志が満ちているような気がした。